猫のキシラジン・ケタミン併用麻酔に対する拮抗剤投与の実験的検討

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タイトル別名
  • A Combination of 4-Aminopyridine and Yohimbine Antagonistic to Xylazine and Ketamine Anesthesia in Cats
  • ネコ ノ キシラジン ケタミン ヘイヨウ マスイ ニ タイスル キッコウザイ

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抄録

98例の猫を使用し, 全例アトロピン処置を行ったのち, キシラジン (2.0mg/kg)とケタミン (5.0mg/kg・7.5mg/kg・10.0mg/kg) を投与した.外科的麻酔期に到達した時点で56例に4-Ap (0.3mg/kg) とYO (0.125mg/kg) を静脈内に投与した.また, 42例を対照群として生食1mlを投与した.その後, 覚醒経過時間, 呼吸数, 呼吸深度, そして覚醒時における動作の異常などを観察した.<BR>その結果, 拮抗剤投与群は対照群にくらべ, 著しい覚醒時間の短縮を認め, 有意差が認められた (P<0.001).拮抗剤投与群の45%に劇的とも思えるような覚醒効果がみられた.また拮抗剤投与後, すみやかに速く深い呼吸状態が認められた.覚醒時に2例に一過性の軽度の筋の硬性を認めた以外, 苦悶, 興奮, 筋の振戦などの副作用は認められなかった.さらに, 一度覚醒したのちに再び麻酔状態に逆戻りする現象は認められなかった.<BR>以上の成績より, 4-Ap・Yoの混合剤は猫のキシラジン・ケタミン併用麻酔に対して, 安全で速効的に覚醒効果を現わす拮抗剤であると考える.

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