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- タイトル別名
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- 虚血性心疾患の安静時心電図で見落としやすい所見
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抄録
虚血性心疾患の心電図で, 見落としやすい所見には, わずかな所見, 非定型的所見, 他の所見に隠れるかあるいは歪められてしまった所見, 不整脈が出てはじめて明らかにされた所見, などさまざまなものがあるが, 重要なのは必ず心電図の経過を観察することである.<BR>急性心筋梗塞の極初期のT波増高が見逃されて問題になることが少なくない.虚血性心疾患の安静時心電図の異常所見の一つとして, 陽性冠性T波の形を示すもの, いわゆるnonspecific T wave changesやST部分の平坦化にも留意を要する, 陰性U波はときに見落とすことのある所見の一つであり, 特に狭心症の発作中にST-Tに何らの異常もなく, 陰性U波のみがみられることがあるので注意を要する.また, 陰性U波が巨大で, 幅の広い陰性T波と間違えることがある.心室性期外収縮のQ波から梗塞の存在が示唆されることもある.心室内伝導異常があると, それのみで2次的ST-T異常がみられるので, 虚血性心疾患の合併の診断が困難になることがある.特に異常Q波は心室内伝導異常のみでも出現するので, むしろ経時的なST-Tの変化に留意した方がよい.ペースメーカー心電図でも同様な注意が必要である,<BR>いずれにしても, こうした心電図所見の経過をみることが重要であり, わずかな所見の経時的変化が心筋虚血の判定のヒントになる.
収録刊行物
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- 心電図
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心電図 23 (Suppl2), 5-27, 2003
一般社団法人 日本不整脈心電学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204774194816
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- NII論文ID
- 10012626295
- 130004087534
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- NII書誌ID
- AN00358282
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- ISSN
- 18842437
- 02851660
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可