第5回 臨床心臓病フォーラム テーマ『胸痛・虚血に伴う心電図変化』

  • 小沢 友紀雄
    日本大学総合科学研究所 (日本大学医学部内科学講座内科2部門)
  • 斎藤 穎
    日本大学総合科学研究所 (日本大学医学部内科学講座内科2部門)
  • 渡辺 一郎
    日本大学総合科学研究所 (日本大学医学部内科学講座内科2部門)
  • 笠巻 祐二
    日本大学総合科学研究所 (日本大学医学部内科学講座内科2部門)

書誌事項

タイトル別名
  • 虚血性心疾患の安静時心電図で見落としやすい所見

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抄録

虚血性心疾患の心電図で, 見落としやすい所見には, わずかな所見, 非定型的所見, 他の所見に隠れるかあるいは歪められてしまった所見, 不整脈が出てはじめて明らかにされた所見, などさまざまなものがあるが, 重要なのは必ず心電図の経過を観察することである.<BR>急性心筋梗塞の極初期のT波増高が見逃されて問題になることが少なくない.虚血性心疾患の安静時心電図の異常所見の一つとして, 陽性冠性T波の形を示すもの, いわゆるnonspecific T wave changesやST部分の平坦化にも留意を要する, 陰性U波はときに見落とすことのある所見の一つであり, 特に狭心症の発作中にST-Tに何らの異常もなく, 陰性U波のみがみられることがあるので注意を要する.また, 陰性U波が巨大で, 幅の広い陰性T波と間違えることがある.心室性期外収縮のQ波から梗塞の存在が示唆されることもある.心室内伝導異常があると, それのみで2次的ST-T異常がみられるので, 虚血性心疾患の合併の診断が困難になることがある.特に異常Q波は心室内伝導異常のみでも出現するので, むしろ経時的なST-Tの変化に留意した方がよい.ペースメーカー心電図でも同様な注意が必要である,<BR>いずれにしても, こうした心電図所見の経過をみることが重要であり, わずかな所見の経時的変化が心筋虚血の判定のヒントになる.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 23 (Suppl2), 5-27, 2003

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (29)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204774194816
  • NII論文ID
    10012626295
    130004087534
  • NII書誌ID
    AN00358282
  • DOI
    10.5105/jse.23.suppl2_5
  • ISSN
    18842437
    02851660
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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