MALTリンパ腫の分子病態と治療

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  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン MALT リンパシュ ノ ブンシ ビョウタイ ト チリョウ
  • [Molecular pathophysiology of MALT lymphoma and strategy for therapy].

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抄録

MALTリンパ腫に特徴的な遺伝子異常はt (11; 18) (q21; q21)転座である.この転座の結果, 11q21上に存在するアポトーシス抑制遺伝子API2と18q21上に存在するMALTI遺伝子とが融合遺伝子(API2-MALT1)を形成する. API2-MALT1陽性の胃MALTリンパ腫はH. pylori除菌に反応しない.またAPI2-MALTI陽性のMALTリンパ腫は基本的にはそれ以上の遺伝子異常は蓄積せず, diffuse large cell lym-phomaへ移行することはないと考えられている.胃MALTリンパ腫の病態は,除菌に反応するAPI2-MALTI陰性の群(A群),除菌に反応しないAPI2-MALT1陰性の群(B群),除菌に反応しないAPI2-MALT1陽性の群(C群)の3群に分類される.除菌の適応であるA群は全例H. pylori陽性,深達度は多くはmあるいはsm,臨床病期はI期,肉眼型が表層型のものである。今後各群の病態に応じた治療法が考慮されることになるであろう.

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