Assuit大学における教育および研究

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  • Education and Research in Assiut University

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抄録

エジプトにおける組織的教育はAD975年カイロにあるイスラム教会で始まった。1908年カイロに国立大学が創設され,1925年Egypt大学(現,カイロ大学)として高等教育システムが確立された。1942年Alexandria大学,1950年AinShams大学,1957年Assuit大学が設立され,現在12の国立大学と6私立大学がある。<BR>エジプトの国立大学は原則として学費無料であるため,その学生総数は極めて膨大であり,また講義は英語で行われる。Assuit大学は上部エジプト(内陸部)のAssuit州(人口315万人)の首都でナイル河畔の大都市Assuitにあり,16学部,2研究所,学生総数62,819名からなる。なお,学生増加に伴いE1-MiniaおよびSouth Valleyの2大学が分離独立している。Assuit大学には14,000人収容の学生寮があり,20の学生食堂は毎日36,000食の安価な食事を提供している。また,学生評価•能力開発センター(unit),英•独•仏の語学センター(院生•一般向け),未来学のシンクタンクに相当するセンター,160ベッドを有する大学病院などがあり,地域と密着した活動が盛んである。<BR>工学部は大学設立当初からあり,学部生数5555名,院生164名,教員127名からなる。学部は5年生で1年目は基礎科学と数学のみである。講義は2学期制で第1学期9月~1月,第2学期2月~5月で,各学期末に試験がある。<BR>大学院(post graduate)は2種あり,一つは学部卒業後1~2年でdiplomaを取得するdiplomaコース(ヨーロッパ大陸の大学制度に対応)となっている。もう一つの修士/博士コースは日本とほぼ同等である。大学の研究費は大半が政府補助金である。<BR>教員は講師,助教授,教授の3段階で,助手は教員ではない。教員の最低条件は博士号であり,講師6年,助教授5年が昇進の最短経験年数であり,これに研究成果を加えて昇進の判定が行われる。<BR>エジプトには日本への留学希望者が多く,また日本の技術への憧れが大きい。日本の大学がエジプトに進出しないのが不思議である。

収録刊行物

  • 電気学会誌

    電気学会誌 124 (8), 524-527, 2004

    一般社団法人 電気学会

参考文献 (6)*注記

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