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抄録
偶発性低体温症に陥り心肺停止を来たした症例に対し,復温および循環維持目的にPCPSを施行した。これらの症例をretrospectiveに検討したので報告する。対象は,2002年10月から2003年10月までの1年間に施行した10例とした。方法は,各症例を生存群と死亡群に分類し比較することとし,両群間の時間経過,搬入時の血液学的パラメーターの比較を行い,各項目の検討を行うこととした。結果は両群間の年齢,身長,体重,搬入時最低鼓膜温で有意差はなかった。経過時間の比較では心肺停止時間が生存群で短い傾向にあった。以上より,時間的関与が重要であることは明らかである。しかし偶発性低体温症の場合,常温での心肺停止例とは異なり,低体温による生理機能減退と潜水反射により,通常より長時間の心肺停止であっても,生存の可能性は延長すると考えられる。そのため判断基準の一選択肢として時間経過を考慮することはできるが,適応基準とすることは難しく,これらは今後の課題であると考える。
収録刊行物
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- 体外循環技術
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体外循環技術 31 (1), 53-56, 2004
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204655320832
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- NII論文ID
- 130004018106
- 10013457282
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- NII書誌ID
- AN1020635X
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- ISSN
- 18845452
- 09122664
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可