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抄録
【要旨】今回,細胞外液により近い組成の1%液ブドウ糖加酢酸リンゲル液(フィジオ140®)を,体外循環中の充填液および容量輸液に使用し,これまで使用してきた乳酸リンゲル液と血清浸透圧,電解質濃度,乳酸値などの推移を比較検討した。術前診断にて,糖尿病,腎機能障害,電解質異常を認める症例を除き,体外循環を用いた冠動脈バイパスまたは弁疾患患者34名を対象とした。全身麻酔導入後,体外循環導入前を初回採血とし,体外循環導入から体外循環終了後まで経時的に採血を行い,電解質,血糖値,血清浸透圧の測定を行った。Na+濃度,Mg2+濃度,血清浸透圧については有意差を認めなかったが,血糖値はフィジオ140®の方が乳酸リンゲル液に比べ有意に高値を示した。Mg2+が添加されているにも拘わらず,有意差が認められなかった理由としては,心筋保護液の組成が高濃度のMg2+を含んだセントトーマス液をべ一スとしたものを使用したためと考えられた。また,血糖値の上昇も臨床的に許容できる範囲であり安全に使用できることが示唆された。
収録刊行物
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- 体外循環技術
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体外循環技術 31 (2), 194-196, 2004
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204655937024
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- NII論文ID
- 10013457462
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- NII書誌ID
- AN1020635X
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- ISSN
- 18845452
- 09122664
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可