ICU内院内感染による医療負担の評価 Assessment of Burden of ICU-acquired Infections

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抄録

目的: ICU内院内感染による医療負担を死亡の増加と入院期間の延長という2つの観点から評価する.<BR>方法: 2000年7月~2002年5月, 厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業参加34施設から収集されたICU収容患者データから, 年齢16歳以上, ICU在室48時間以上1000時間未満, 退院時転帰とAPACHEスコアの情報が得られ, 他院ICU転出例を除いた7374件を対象にした. ICU内院内感染はICU入室後2日以降発症した感染症により定義して, ICU内院内感染なし (6696件), ICU内院内感染ありのうち感性菌感染症 (478件) と耐性菌感染症 (200件) の3群にわけた. ICU入室から退院までの各期間における死亡のオッズ比と生存者のICU入室からの入院日数およびICU在室時間数をAPACHEスコア別にもとめた.<BR>結果: ICU内院内感染なしを基準にして, APACHEスコアを調整した死亡のオッズ比 (95%信頼区間) は, 感性菌感染症が1.4 (1.2~1.6), 耐性菌感染症が1.9 (1.5~2.3) であり, ICU内院内感染による死亡の有意な増加を認めた. しかし, APACHEスコア別にみると, APACHEスコア20以下の群では有意であったが, APACHEスコア21以上の群では有意でなかった. ICU内院内感染による超過入院日数 (95%信頼区間) は, 感染菌感染症で12.0 (7.0-17.1) 日, 耐性菌感染症で27.6 (17.2~38.0) 日, 超過ICU在室時間数 (95%信頼区間) は, 感染菌感染症で165.7 (151.0~180.4) 時間, 耐性菌感染症で225.0 (200.4~249.5) 時間であり, ICU内院内感染による入院期間の有意な延長を認めた. しかし, APACHEスコア別にみると, ICU入室からの入院日数に関して, APACHEスコア25以下の群では有意であったが, APACHEスコア26以上の群では有意でなかった.<BR>結論: ICU内院内感染による死亡の増加と入院期間の延長を認めた. このようなICU内院内感染の影響はとくにAPACHEスコアの低い軽症例において有意であったことから, ICUにおける院内感染対策はAPACHEスコアの高い重症例よりもAPACHEスコアの低い軽症例においてより重要になると考えられた.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 19(3), 389-394, 2004-08-10

    日本環境感染学会

参考文献:  22件中 1-22件 を表示

被引用文献:  3件中 1-3件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10013563553
  • NII書誌ID(NCID)
    AN1019475X
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    09183337
  • NDL 記事登録ID
    7077542
  • NDL 雑誌分類
    ZS9(科学技術--医学--病理学・微生物学・寄生虫学・感染・免疫学・血清学・アレルギー)
  • NDL 請求記号
    Z19-3650
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NDL  J-STAGE 
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