胆管内腫瘍栓から胆道内出血を認めた肝細胞癌の1例

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  • A Resected Case of Hepatocellar Carcinoma with Hemobilia from Intrabile Duct Tumor Thrombus

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抄録

症例は75歳の男性で,外側区の肝細胞癌に対し他医にてTAE,経皮的エタノール注入療法をくり返し施行されていたが,再発をくり返すため当院紹介となった.再TAE施行するも腫瘍の縮小効果が得られず再入院となったが,入院当日に黒色便と貧血を認め突然の上腹部痛,嘔気が出現した.腹部超音波CT検査にて肝外側区域に胆管内腫瘍栓を認めその末梢胆管の拡張を認めた.血管造影検査では外側区域に腫瘍濃染像を認め,経皮経肝胆道造影では左胆管が造影されず総胆管末端に血腫によると思われる透亮像を認めた.以上より肝細胞癌の胆管内腫瘍栓からの胆道内出血と診断した.開腹すると左胆管内に腫瘍栓があり腫瘍栓からの出血と胆管内の凝血塊を認め肝左葉尾状葉切除,総胆管血腫掻爬を施行した.病理組織像はsacomatous change を伴う低分化型肝細胞癌であった.

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