プレコネクト回路使用PCPS装置により救命し得た術中心停止の1例

この論文をさがす

抄録

【要旨】肺線維症確定診断目的で,全身麻酔下に肺部分切除を受けた67歳女性が,手術終了後の体位変換時に突然心室細動心停止を来した。心マッサージに対しまったく反応せず,PCPSを実施することにした。循環器外科医への連絡5分後に外科医が手術室に到着。PCPSの準備および送脱血カニューレ挿入を行い,7分後にPCPS送血開始となった。PCPS開始まもなく自己心拍は再開した。翌日PCPSからの離脱に成功し,神経学的な障害はなく,術後第16病日に独歩内科転科した。プレコネクト回路を用いるPCPS装置はワンタッチで回路に装着でき,PCPS未経験医師でもカニューレ挿入担当医師からの指示でセットアップ可能であった。また,充填作業もオートプライミング機構により簡便に行われた。機器,回路,カニューレ,輸液剤などを事前に準備し,手術室の隣に配備することで,手術室内緊急事態に対し極めて速やかに対処可能であった。プレコネクト回路使用PCPS装置は,少ない人員で短時間にセットアップ可能であり,緊急を要する心停止症例に対し極めて有用であった。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 28 (2), 47-48, 2001

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ