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抄録
【要旨】人工心肺からの離脱が難しい症例に対しては,的確な心機能の評価が重要となる。我々は本来体外循環の安全管理のためにモニタされている混合静脈血酸素飽和度(SvO2)により,心機能が評価できると考えた。1,392例にSvO2をモニタした結果,離脱時に人工心肺より生体心臓への前負荷を増してもSvO2が上昇しない症例では,人工心肺からの離脱が難しく,更にSvO2の値が60%を越えられなかった19症例においては,離脱が困難で補助循環が必要であった。体外循環下でSvO2を左右している因子は,1.生体の酸素消費,2.血液の酸素運搬能力,3 .換気,4.体外循環流量,そして,5.心拍出量である。離脱時には1~3の因子が安定していると考えられ,4の体外循環流量は体外循環の技術者は把握できている。つまりこのような条件下では5の心拍出量とSvO2の変化が結び付けられる。結果からもSvO2の反応が悪い症例においては十分な心機能が得られず,離脱が難しいことが示されている。これらのことから離脱時における心機能を評価する上でSvO2の変化は良い指標となることが結論付けられる。
収録刊行物
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- 体外循環技術
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体外循環技術 29 (2), 108-111, 2002
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679632114816
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- NII論文ID
- 10013925989
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- NII書誌ID
- AN1020635X
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- ISSN
- 18845452
- 09122664
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可