原発巣に対する局所切除と全身化学療法により27カ月間生存した進行期直腸肛門部悪性黒色腫の1例

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  • A Case of Anorectal Malignant Melanoma that Survived 27 Months by Local Excision and Chemotherapy

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抄録

直腸肛門部悪性黒色腫 (ARMM) の発生頻度は稀であり, 極めて予後不良である。症例は53歳, 男性。下血を主訴に当科を受診。直腸診にて直腸後壁に弾性軟の腫瘤を触知し, 注腸造影検査および大腸内視鏡検査にて直腸 (Rb) に易出血性で横径約2.5cmの隆起性病変を認めた。2度にわたる生検時の病理診断がGroupIIIであったため, 確定診断目的にpolypectomyを施行したところ悪性黒色腫の診断を得た。深達度はmp, 断端陽性であった。Microwave coaglation therapy (MCT) とcisplatin, vindesine, dacarbazineからなるCVD療法を開始した。20カ月を経過した時点で腫瘍の増大を認め, 疼痛が増強してきたため, 経肛門的腫瘍切除, 人工肛門造設術を施行。23カ月目に肺, 肝転移を認め, 27カ月時に原病死となった。本邦ではARMMの大多数に対して腹会陰式直腸切断術が選択される。本症例は原発巣の局所コントロールと化学療法により, 従来の報告例と比較して長期生存を示した1例である。

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