当科における頭頚部腺様嚢胞癌症例

  • 鈴木 政博
    福島県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 鹿野 真人
    福島県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 松塚 崇
    福島県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 大森 孝一
    福島県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • ADENOID CYSTIC CARCINOMA OF THE HEAD AND NECK

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抄録

15年間における当院全体の腺様嚢胞癌症例は32例であったが, 27例 (85%) が頭頸部に発生していた。この内, 当科で加療を行った24例の累積5年生存率は86.2%, 累積10年生存率は57.9%であった。原発巣の大きさと断端腫瘍残存の有無は予後との関連が推測された。組織型は生存率には関連しなかったが, 再発率に影響していた。根治治療例19例中, 再発は9例 (47.4%) に認め原発再発が6例と最も多かった。6例中4例が5年以上の経過後に再発し, 腺様嚢胞癌の特徴である緩慢な発育を反映した結果と考えられた。根治が不能であったが, 8年2ヶ月生存した症例がおり, 腺様嚢胞癌では姑息治療例でも長期経過が期待できる場合もあるが, 末期状態が長期化することも腺様嚢胞癌の特徴であり, 個々の症例に応じた極め細かい治療が必要とされる難しい腫瘍であると考えられる。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 30 (4), 600-607, 2004

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (21)*注記

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