Neutrophilic Dermatosisを併発した不応性貧血の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Neutrophilic Dermatosis in a Patient with Refractory Anemia

この論文をさがす

抄録

不応性貧血と診断されていた46歳,男性が高熱と大腿部の潰瘍を伴う浸出性紅斑で入院した。末梢血はWBC 31,500/μl(好中球90%)の白血球増加,Hb 8.6 g/dlの貧血を認めた。抗生剤の投与にもかかわらず皮膚潰瘍は壊死を伴い大腿部に拡大した。皮膚病変は無菌的で組織は真皮に好中球浸潤を認めた。副腎皮質ステロイド剤の投与により解熱し皮膚病変も改善した。減量に伴い他部位に結節,紅斑ができ再発したがステロイド剤の増量により軽快した。臨床的にはSweet症候群と壊疽性膿皮症の両方の要素をもつ皮膚病変であった。好中球機能(好中球遊走能,O2-産生能)の低下をはじめ免疫能の低下を示した。本例における皮膚病変はneutropilic dermatosis of MDSとしてとらえることができ,これらの皮膚病変にはステロイド剤が著効する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (5), 700-705, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ