腸管Behcet病に仙腸関節炎および第8トリソミーを伴う骨髄異形成症候群(RAEB‐t)を合併した一剖検例

  • 鍔田 利恵子
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 鈴木 文仁
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 杉原 毅彦
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 小川 純
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 萩山 裕之
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 南木 敏宏
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 上阪 等
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 窪田 哲朗
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学
  • 宮坂 信之
    東京医科歯科大学医学部膠原病・リウマチ内科学

書誌事項

タイトル別名
  • An autopsy case of intestinal Behcet's disease with sacroiliitis accompanied by myelodysplastic syndrome with trisomy 8

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抄録

  症例は69歳男性.発熱,紅斑,有痛性の多発性口腔咽頭潰瘍で発症し,経過中に回盲部潰瘍を認め,腸管Behçet病が疑われた.その後,汎血球減少,骨髄芽球の増加を認め,第8トリソミー陽性の骨髄異形成症候群(MDS, RAEB-t)と診断された.一連の経過から,腸管Behçet病とMDSの合併が最も考えられたが,Sweet病や単純性潰瘍とMDSの合併,あるいはMDSの免疫不全による回盲部膿瘍などとの鑑別に苦慮した.腸管Behçet病とMDSの合併は本邦を中心に報告例が散見されるが,諸外国での報告例は極めて少ない.また,これら症例の大多数が第8染色体のトリソミーを保有していることから,第8トリソミーと腸管病変の関連が示唆されるが,詳細は不明である.同様の症例を集積,検討することで少なくとも一部の腸管Behçet病の病因の解明につながると期待される.さらに,本症例は,経過中高度の腰痛を認め,仙腸関節炎の合併が確認された.腸管Behçet病とMDSの合併例で仙腸関節炎合併の報告例はこれまでにはなく報告した.<br>

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被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (40)*注記

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