院内感染対策サーベイランスにおけるPopulation at Riskの評価  薬剤耐性菌感染症発生率についての疫学的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Population at Risk in Hospital Epidemiology
  • インナイ カンセン タイサク サーベイランス ニ オケル Population at Risk ノ ヒョウカ ヤクザイ タイセイキン カンセンショウ ハッセイリツ ニ ツイテ ノ エキガクテキ ケントウ
  • 薬剤耐性菌感染症発生率についての疫学的検討

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抄録

目的: 院内感染対策サーベイランスとして薬剤耐性菌感染症発生状況を把握する際のpopulation at riskについて疫学的評価, 検討をおこない, わが国の院内感染対策サーベイランス事業における応用の可能性を明らかにする.<BR>方法: 国立熊本病院の2000年度全入院患者を対象集団として, 1入院を1 riskとする場合, 1日入院を1 riskとする場合の2通りの方法による薬剤耐性菌感染症発生率 (以下, 発生率) を比較して, 両者の関連を調べた. さらに, 1日入院を1 riskとする発生率について, 病床数と病床稼働率 (簡便法) や各月15日時点の入院状況 (準簡便法) を用いて入院人日を概算した場合の発生率と従来法による発生率を比較した.<BR>結果: 1入院を1 riskとする発生率と1日入院を1 riskとする発生率の動向はほぼ一致しており, 相関係数は0.99 (p<0.001) を示した. しかし, 年齢差の傾向は前者においてより顕著であり, とくに10歳未満の小児では両者の解離が見られた. 簡便法や準簡便法においても従来法相当の数値が得られた.<BR>結論: 1入院を1 riskとする発生率と1日入院を1 riskとする発生率は院内感染対策サーベイランスの指標として有用である. 病床数と病床稼働率を用いる簡便法は病院全体の動向の把握, 各月15日時点の入院状況を用いる準簡便法は病院全体の動向のほか, 性, 年齢など属性別傾向の把握を目的として応用可能である.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 17 (2), 187-194, 2002

    日本環境感染学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (7)*注記

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