-
- 福井 裕行
- 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子薬物学分野
書誌事項
- タイトル別名
-
- Two regulatory mechanisms of histamine H<sub>1</sub> receptor expression and their clinical significance
- ヒスタミンH1受容体の発現調節機構とその意義
- ヒスタミン H1 ジュヨウタイ ノ ハツゲン チョウセツ キコウ ト ソノ イギ
この論文をさがす
抄録
ヒスタミンH1受容体を介するシグナルはH1受容体の発現レベルにより調節を受けることが明らかにされつつある.先ず,リコンビナントH1受容体を発現する培養細胞を用いて,H1受容体のダウン調節が明らかにされた.この機構にはH1受容体分子のリン酸化が関与することを明らかにした.そして,リン酸化部位として5ヵ所のセリンおよびスレオニン残基が明らかにされた.そのうち,140T,および,398Sの2つの部位がより重要なようである.H1受容体リン酸化にはカルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼII,タンパクキナーゼC,タンパクキナーゼG,タンパクキナーゼAなどの関与が示唆される.そして,ダウン調節にはH1受容体を介する同種ダウン調節に加えて,M3ムスカリン受容体やβ2アドレナリン受容体を介する異種ダウン調節の存在を明らかにした.異種の受容体ダウン調節は受容体分子のリン酸化が関与していないようである.それに対して,H1受容体を介するH1受容体遺伝子発現亢進による受容体アップ調節機構の存在が明らかとなった.この機構にはタンパクキナーゼCの関与が示唆される.さらに,異種のH1受容体アップ調節の存在も明らかにしつつある.アレルギーモデルラット鼻粘膜H1受容体mRNAレベルがアレルギー発作により上昇することを見いだしたが,この上昇にはH1受容体遺伝子発現の関与が示唆された.そして,H1受容体自身の刺激とそれ以外のメディエーターの関与が考えられる.また,H1受容体mRNA上昇はデキサメサゾンにより完全に抑制され,この上昇機構がデキサメサゾンの標的であることが明らかとなった.さらに,培養細胞におけるH1受容体誘発性H1受容体遺伝子プロモーター活性の上昇がデキサメサゾンで完全に抑制されることを見いだした.そして,H1受容体遺伝子には多数のイカロスサイト類似部位が見いだされた.<br>
収録刊行物
-
- 日本薬理学雑誌
-
日本薬理学雑誌 125 (5), 245-250, 2005
公益社団法人 日本薬理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679247860224
-
- NII論文ID
- 10016428819
-
- NII書誌ID
- AN00198335
-
- ISSN
- 13478397
- 00155691
-
- NDL書誌ID
- 7346351
-
- PubMed
- 15997159
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可