薬剤耐性結核菌株の薬剤耐性パターンと遺伝子変異の解析

書誌事項

タイトル別名
  • Anti-drug Pattern of Drug-resistant <I>Mycobacterium tuberculosis</I> and Analysis of Mutation in Drug-target Genes
  • ヤクザイ タイセイ ケッカク キンカブ ノ ヤクザイ タイセイ パターン ト イデンシ ヘンイ ノ カイセキ
  • Anti-drug Pattern of Drug-resistant Mycobacterium tuberculosis and Analysis of Mutation in Drug-target Genes

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抄録

平成12年4月~16年3月までに東京都内において検出された薬剤耐性結核菌計98株について.常用4薬剤に対する薬剤感受性を検査し, MIC値を測定した.単独耐性ではSM耐性が27株と一番多く, ついでINH耐性株16株であった.複数の薬剤に耐性のものでは, INHと他の組み合わせのものが51株と最も多く, その中でINH, RFP両薬剤に耐性の株は38株にのぼった.4薬剤すべてに耐性を示した株が19株あり, そのうち7株は別に行った試験でニューキノロン系の抗菌剤にも耐性であった.薬剤耐性化に関与すると考えられている遺伝子変異をDNAシークエンス法で調査したところ, RFP耐性株では, rpoB遺伝子に変異のある株が98%にみられた.INHに対して高度の耐性を示す株ではkatG遺伝子上の欠損や挿入, あるいはahpC遺伝子の塩基に変異が見られ, 中等度耐性の株ではkatG遺伝子のアミノ酸変異, さらに低濃度耐性の株ではinhA遺伝子の塩基変異が見られた.SMの高度耐性株では, すべての株でrpsL遺伝子のアミノ酸変異がみられ, 低濃度耐性株では, rrs遺伝子の塩基置換が68%にみられた.EMB耐性株では, embB遺伝子のアミノ酸変異が87%に見られた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 79 (6), 388-396, 2005

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (17)*注記

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