孤立性膵頭部転移を合併した下大静脈浸潤腎癌に対する一期的手術による長期生存の1例

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タイトル別名
  • A Long-Term Survived Case of Simultaneous Surgical Treatment for a Solitary Pancreatic Metastasis from Renal Carcinoma involving the Inferior Vena Cava

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抄録

腎癌の下大静脈への浸潤・進展は稀なことではないが, 腎癌の転移先としての膵臓は稀な臓器である。今回72歳, 女性が貧血を主訴として入院し, 内視鏡検査と腹部CT検査で膵頭部腫瘤から十二指腸管腔内へ持続性の出血, さらに下大静脈浸潤して腫瘍栓をもつ腎腫瘍を認めた。手術手技によって腫瘍栓が肺塞栓子となることを防ぐ目的で術前より内頸静脈から腫瘍栓直上に一時的下大静脈フィルターを留置して, 大腿動脈, 静脈部分体外循環を用いて下大静脈に浸潤した腎癌と膵頭部腫瘤を一期的に切除した。肺塞栓症状を来すこともなく退院となった。病理組織診断の結果膵頭部の腫瘤は腎癌の孤立性膵転移と判明した。術後2年半の現在, 生存中であり再発徴候はない。

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