企業の文化的特性と食品開発 : スリランカにおける食品加工会社の事例から

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タイトル別名
  • Organizational Culture and Product Innovation--A Case Study of Food Processing Firms in Sri Lanka

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抄録

食料消費環境の変化に見合った食品開発は、スリランカにおける食品加工企業の維持と発展に不可欠な条件である。本研究は、その開発の障壁になっている諸要因を、特に食品加工企業の文化的特性との関連性を調査し、分析を行った。その結果、食品開発に成功している企業は、そうでない企業に比べて、環境適応力、新規開拓的な行動力、実践力、未来志向性、さらに従業員の特性の面で、食品開発に有利な文化的価値を備えていることが明らかになった。さらに、これらの企業の文化的特性が、食品開発の障壁を克服し企業の発展に寄与してきているばかりか、雇用と販売の拡大にも優位に働いていることも明らかになった。しかし、多くの企業では、特に資金力、技術力、知的基盤の欠如と、さらなる企業努力を促すための外部組織機関の不足といった多くの課題を抱えていることも判明した。以上から、スリランカでは、食品加工企業に食品開発を促進させる研究と技術革新、食品開発の資金力、管理訓練と教育に高度なサービスを提供できる研究機関「地域食品開発センター」の設立が重要であると考える。

収録刊行物

  • 農業経済論集

    農業経済論集 56 (2), 51-60, 2006-02

    福岡 : 食農資源経済学会

参考文献 (14)*注記

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