この論文をさがす
抄録
近年開心術の低侵襲化に伴いOPCAB症例が増加しているが,血行動態不安定な症例に対しPCPSを用いて当院独自のシステムを使用した冠動脈バイパス手術を行っている。また,リスクの少ないと考えられる下行置換術に対しても本システムを用いている。本システムとは市販のPCPS回路の送脱血側に三方活栓と3.5mmチューブをバイパスさせ,三方活栓にCPD液入の採血バックを接続した回路である。PCPS回路であることから,準備が10分程度と短くできた。また操作に関しては,貯血・返血ともに三方活栓とクレンメの操作のみで簡単であった。術中の血行動態維持は,貯血および出血した血液の返血操作により行ったが,反応性は通常の体外循環回路よりやや劣るものの,問題はなかった。また,返血時までバックにためた血液に血栓などの発生もなかった。このことからOPCABおよび大動脈遮断が困難な心拍動下の冠動脈バイパス手術,低リスクの下行大動脈瘤に対する人工血管置換術において有用な方法であると考えられた。
収録刊行物
-
- 体外循環技術
-
体外循環技術 33 (2), 182-184, 2006
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001204656184960
-
- NII論文ID
- 10018166799
-
- NII書誌ID
- AN1020635X
-
- ISSN
- 18845452
- 09122664
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可