下垂体性Cushing症候群の内科的治療

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  • 内分泌性高血圧症:診断と治療の進歩  IV.内分泌性高血圧症の治療  1.下垂体性Cushing症候群の内科的治療
  • カスイタイセイ Cushing ショウコウグン ノ ナイカテキ チリョウ

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Abstract

Cushing病は, ACTH産生下垂体腺腫によって高コルチゾール血症をきたし, 中心生肥満や満月様顔貌など特徴的な症状と高血圧, 糖尿病, 免疫不全などを合併する. デキサメタゾン抑制試験, CRH試験, DDAVP試験などの内分泌検査とMRIを用いた画像検査によって診断する. 診断困難例では海綿静脈洞あるいは下錐体静脈洞サンプリングを用いる. 治療は, 経蝶形骨洞的下垂体腺腫摘出術が第一選択であるが, 治癒や寛解にいたらなかった例では, 放射線療法あるいは薬物治療を行う. 下垂体からのACTH分泌抑制目的でドーパミン作動薬, シプロヘプタジン, オクトレオチドあるいはバルプロ酸ナトリウムなどが報告されてきたが寛解率は低い. 今後, チアゾリジン誘導体の有効性については検討が必要である. ミトタンあるいはトリロスタンによる副腎皮質からのコルチゾール合成抑制は有効な手段ではあるが, 同時にグルココルチコイド補充を要する. メチラポンは, 速やかなコルチゾール低下作用を有し, 著明な高コルチゾール血症の急速な改善に極めて有効である. Cushing病の高血圧発症には種々の機序が想定されており, 現病の治癒により改善するが, 非寛解例では高血圧発症機序に基づいた治療薬の選択が望まれる.

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