心肺停止にて発症したカテコラミン誘発性多形性心室頻拍の1女児例

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タイトル別名
  • <I>A case of aborted sudden death with catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia</I>

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抄録

【症例】13歳女性.9歳時, 水泳後に突然心肺停止となり, 心室細動を認め, 蘇生処置後入院した.以後加療にて改善したが, 心室細動の原因は不明でβblockerの内服にて経過観察となった.その後も水泳の授業, 運動会, 文化祭などの発表の際にたびたび失神発作を繰り返していた.13歳時, 公園に向かう途中で倒れているところを発見され緊急入院となった.救急車内で心室細動を認め頻回に電気的除細動を行い, 入院後も多形性心室頻拍・心室細動を繰り返していたため経皮的心肺補助法 (PCPS) をはじめとする各種集中治療を施行し, 最終的に入院前の意識状態まで回復した.血液検査, 心エコーなどから電解質異常や明らかな器質的心疾患は認められず, また前回入院時心電図における多形性心室頻拍, 外来での運動負荷心電図, ホルター心電図において運動や精神的ストレスにより生じる二方向性心室頻拍を認め, カテコラミン誘発性多形性心室頻拍と診断した.治療として植込み型除細動器 (ICD) の植込み術およびβblockerの内服を行い神経学的後遺症を残さず良好となり退院となった.【結語】薬物治療に抵抗性のカテコラミン誘発性多形性心室頻拍に対しては, βblockerに加えICD治療が必要と考えられた.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 26 (5), 750-757, 2006

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (9)*注記

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