副腎皮質ステロイドによる高血糖に対してCSII療法が有効であった全身性エリテマトーデス合併1型糖尿病の1例

  • 斉藤 丈洋
    慈泉会 相澤病院 内分泌代謝科 イムス記念病院 糖尿病センター
  • 比嘉 陽代
    慈泉会 相澤病院 内分泌代謝科

書誌事項

タイトル別名
  • CSII Therapy Using Preprogrammable Insulin Pump Successfully Controlled Glucocorticoid Induced Hyperglycemia in a Patient with Type 1 Diabetes with SLE
  • 症例報告 副腎皮質ステロイドによる高血糖に対してCSII療法が有効であった全身性エリテマトーデス合併1型糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク フクジン ヒシツ ステロイド ニ ヨル コウケットウ ニ タイシテ CSII リョウホウ ガ ユウコウ デ アッタ ゼンシンセイ エリテマトーデス ガッペイ 1ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は45歳女性.1997年に1型糖尿病を発症し,インスリン治療を開始された.2004年2月頃より肝機能障害が悪化したため,4月9日に精査加療目的で紹介入院となった.精査の結果,自己免疫性1型糖尿病,全身性エリテマトーデス(SLE),自己免疫性肝炎,橋本病と診断し,PSL30 mg/日より投与を開始.肝機能は改善してきたが,副腎皮質ステロイドの影響もあり持効型インスリンを用いた強化インスリン療法でも血糖コントロールが著しく悪化した.そのためpreprogrammable insulin pumpを用いたcontinuous subcutaneous insulin infusion therapy (CSII therapy)を導入した.副腎皮質ステロイドにより,午後から夜にかけて血糖値が上昇してくるため,昼から夜の基礎注入量を0~5時:0.6 U/h,5~7時:0.9 U/h,7~11時:0.8 U/h,11~20時:1.0 U/h,20~0時:0.6 U/h,追加注入量は(8-10-7)Uとし,血糖コントロールは良好となった.内因性インスリン分泌が高度に障害された1型糖尿病で,かつステロイド治療を要する場合,血糖コントロールは困難である.今回われわれは,preprogrammable insulin pumpを用いたCSII療法を導入することによってこれを克服できた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 49 (7), 529-534, 2006

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (32)*注記

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