日本人女性における鉄欠乏の頻度と成因にかんする研究

書誌事項

タイトル別名
  • Prevalence and Pathogenesis of Iron Deficiency in Japanese Women (1981∼1991)
  • —1981年∼1991年の福島・香川両県での成績—

抄録

鉄欠乏性貧血は世界においてもっとも頻度の高い貧血であるが,わが国における正確な頻度と成因についての報告はない。今回,日本人女性3,015名において鉄欠乏の頻度を検索した。貧血の基準はトランスフェリン飽和率16%以上,血清フェリチン12 ng/ml以上の健常人の平均値から求めたヘモグロビン値から判定した。従来の鉄欠乏の判定基準にもとづき,鉄欠乏性貧血8.5%, 潜在性鉄欠乏8.0%, 貯蔵鉄欠乏33.4%, 正常43.6%, その他6.5%となった。鉄欠乏性貧血の頻度は10代前半より増加し,高校生,主婦で高く,高齢に向うにつれ減少した。鉄欠乏の成因は10代から若年層にかけては不明のものが多く,他方高齢者では原因の明らかなものが多く症候性貧血を有するものも多かった。鉄欠乏症に対する対策として鉄添加の問題,ビタミンCの大量投与,高頻度群に対する鉄剤の少量投与などが論じられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (11), 1661-1665, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680004175872
  • NII論文ID
    130004499817
    10018303957
  • DOI
    10.11406/rinketsu.33.1661
  • COI
    1:STN:280:DyaK3s7gvVKjtg%3D%3D
  • ISSN
    18820824
    04851439
  • PubMed
    1469780
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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