高血糖性高浸透圧性昏睡を示した高齢者5例の臨床像

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Pictures of 5 Cases of Hyperglycemic Hyperosmolar Non-ketotic Coma in the Elderly
  • 症例報告 高血糖性高浸透圧性昏睡を示した高齢者5例の臨床像
  • ショウレイ ホウコク コウケットウセイ コウシントウアツセイ コンスイ オ シメシタ コウレイシャ 5レイ ノ リンショウゾウ

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抄録

高血糖性高浸透圧性昏睡(HHNC)を5例経験した.4例は73歳以上の高齢者であり,残りの1例は66歳であるが,認知症が重度で,意思の疎通が著しく困難な症例であった.発症の誘因として,全例感染症が関与していた.3例では中心静脈栄養や経腸栄養中にHHNCを発症した.インスリン治療を考慮したが,日中独居などの理由から断念した例が3例あった.5例とも著しい高血糖にもかかわらず,自ら口渇を訴えることはなかった.そして日中独居,脳梗塞,認知症などのため,症状の発見が遅れ,高血糖が重症化し,HHNC発症に至ったと考えられた.高齢,独居,脳梗塞,認知症の糖尿病患者はHHNCのハイリスク群として捉え,慎重に管理する必要がある.またHHNC予防のため,家族への協力要請や介護保険制度の活用も必要である.頻回の安否確認や服薬管理,また可能ならば在宅でのインスリン注射,血糖測定,検尿も有効と考えられる.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 49 (10), 797-800, 2006

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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