γサブクラスに属するプロテオバクテリアにおけるポリアミン構成

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  • Polyamine Distribution Profiles among Some Members of the Gamma Subclass of the Class Proteobacteria

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抄録

ポリアミンが未分析であるγプロテオバクテリアサブグループ-1および3に属する41種(18属)のポリアミンをHPLCにより分析し,化学分類マーカーとしてのポリアミン構成と系統分類との関係を考察した. サブグループ-1のうち,Chromatiaceae科とEctothiorhodospiraceae科とに属する紅色硫黄細菌ではスペルミジン,スペルミンが検出された.硫黄酸化細菌のうち,Thiomicrospira属はプトレスシンとスペルミジンを含み,Beggiatoa albaはこれらに追加してホモスペルミジンを有していた.Chromatiaceae科の高度好塩性Thiohalocapsa属とEctothiorhodospiraceae科の高度好塩性Halorhodospira属とに,特に,高含量のスペルミンが認められ,スペルミンの存在と好塩性との関連性が示唆された. サブグループ-3では,Vibrionaceae科のVibrio属とPhotobacterium属におけるノルスペルミジンとスペルミジンの分布は不均一で,V.salmonicidaやP.iliopiscariumではカダベリン,スペルミジン,アグマチンが主ポリアミンであった.Shewanella属では共通してプトレスシンを含み,S.balticaにはカダベリンが,S.benthicaとS.violaceaには2-ヒドロキシプトレスシンが存在した.Colwellia marisでは2-ヒドロキシプトレスシン,プトレスシン,スペルミジンであったが,C.psychrerythraeaはすべてのボリアミンを欠いていた.Pseudoalteromonas属,Arhodomonas属,Marinobacterium属はスペルミジンが,Marinospirillum属はプトレスシン,スペルミジンが,Microbulbifer属はカダベリン,スペルミジン,アグマチンが主ポリアミンであった.Moritella japonicaとM.marinaはカダベリンのみ,M.yayanosiiはノルスペルミジンのみ含有する.これらの海洋性細菌には好冷菌,好圧菌が含まれるが,ポリアミン構成と好冷性や好圧性との直接的な関連性は認められなかった.

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