急性骨髄単球性白血病治療中に発生した肝膿瘍に対し, 腹腔鏡下膿瘍開窓術を施行した1例

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  • Laparoscopic Fenestration and Drainage for Liver Abscess in a Patient who Received Chemotherapy for Acute Myelomonocytic Leukemia

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抄録

症例は18歳の男性である。前医で急性骨髄単球性白血病に対し, 寛解導入療法を施行された。経過中に左横隔膜下膿瘍が生じ, 抗生剤等の投与を受けたが, 膿瘍腔が残存し, 軽度の発熱, CRP上昇が遷延するため当科を紹介された。腹腔鏡下に膿瘍開窓・ドレナージ術を行った。左上腹部に胃前壁と癒着した膿瘍壁が現れ, 肝外側区域と連続していた。膿瘍壁を部分切除すると内部に茶褐色の壊死物質を認め, この壊死物質を除去後, 膿瘍腔内にドレーンを留置した。術後発熱は消失し, CRPも正常化したため, 白血病に対する地固め療法を施行した。化学療法施行中, 肝膿瘍の再燃は認めず, 現在白血病も完全寛解している。白血病の治療中に肝膿瘍を生じ, 治療に難渋することがあるが, 腹腔鏡下膿瘍開窓術は次回の化学療法に向けて早期回復が期待でき有用と思われた。

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参考文献 (8)*注記

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