Epirubicin動注療法で生じた皮膚障害の1例

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タイトル別名
  • A Skin Manifestation due to the Intraarterial Infusion of Epirubicin.

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抄録

進行乳癌に対するepirubicinの動脈内注入療法(以下,動注)中に動脈支配領域に一致して皮膚病変のみられた56歳女性例を報告した。右乳癌の術前動注療法として,右鎖骨下動脈及び内胸動脈へのepirubicin 70 mgの週1回のone shot動注療法を3回施行後より右前胸部に紅斑が出現し当科を受診。初診時,動脈支配領域に一致して壊死性潰瘍,紅斑および色素沈着が認められ,紅斑部の生検で表皮に加え汗腺の壊死性変化が認められた。epirubicinはdoxorubicin(ADM)の副作用を軽減する目的で開発されたADMの誘導体で,近年局所進行乳癌に対する動注療法において,ADMにとって代わる薬剤となっている。血管内カテーテルや動注リザーバーの開発と進歩により,動注化学療法は多用される傾向にあり今回のような症例が増加するものと考えられる。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 64 (3), 298-300, 2002

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (12)*注記

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