ミニチュア豚の内臓への転移をともなう多発性骨髄腫

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タイトル別名
  • A Case of Multiple Myeloma with Metastases to Visceral Organs in a Miniature Pig
  • ミニチュア ブタ ノ ナイゾウ エ ノ テンイ オ トモナウ タハツセイ コツ

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抄録

6歳, ゲッチンゲン・ミニチュア豚の雌に骨髄腫がみられ, 末梢血液中に異型形質細胞が出現していたが, 血清中のγ-グロブリンの上昇は認められなかった.剖検で脾臓の腫大および乳白色結節の密発, 胸骨・肋骨の表面に腫瘍性結節の形成が認められた.組織学的には, 骨髄・脾臓・肝臓・腎臓・膵臓に腫瘍細胞が浸潤増殖し, 肋骨の皮質では腫瘍細胞の増殖による骨破壊が認あられた.腫瘍細胞は中等度の大きさで, 円形ないし卵円形, 核は偏在性でやや大きく, クロマチンは粗であった.ヘマトキシリン・エオジン染色で弱好塩基性に染まる細胞質は, ピロニン好性で, しばしばPAS反応陽性の小体を含んでいた.多くの腫瘍細胞が細胞質内にIgMを持ち, 超微形態学的には, 拡張した粗面小胞体がみられた.本症例は非分泌型のIgM骨髄腫で, 動物では非常に珍しいと考えられた.

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参考文献 (13)*注記

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