Mental Health and Family Environment of High-school Dropouts Who Study for Qualification Test to Enter Colleges

DOI 3 Citations 30 References
  • SETOYA Yutaro
    Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
  • NAGANUMA Yoichi
    Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
  • SAKAI Yoshie
    Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
  • HASHIMOTO Kimiko
    Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
  • NAKANO Ryogo
    Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
  • MOTONAGA Takuro
    Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
  • KURITA Hiroshi
    Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, University of Tokyo

Bibliographic Information

Other Title
  • 高等学校を中退した大検生の精神保健および家族環境に関する研究

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Abstract

大検 (大学入学資格検定) 予備校における高校中退者の精神保健および家族環境の特徴を明らかにし, かつ中退に先行する要因を検討するため, 東京都内の大手予備校に在籍する高校を中退した大検生44人 (年齢: M (SD)=17.5 (1.3); 男30人, 女14人) と, 同予備校に在籍する現役高校生163人 (年齢: M (SD)=16.8 (0.9); 男70人, 女91人, 不明2人) を対象として, 一般健康調査 (GHQ) 30項目版, 家族環境尺度 (FES), 家族構成, 幼い頃のしつけや養育の印象および不登校やいじめられ経験を問う質問からなる調査票による調査を行った。その結果, GHQ総得点では2群間で有意差はなかったが, 項目別にみると大検生がやや抑うつ的である傾向がみられた。FES得点では下位尺度である表出性および組織性において大検生が有意に低く, 娯楽志向性において有意に高かった。大検生のGHQ高得点群と低得点群を比較すると, FES下位尺度の活動娯楽志向性においてのみ高得点群が有意に得点が低かった。以上より, 大検生の精神的健康度は高校生と同じような状態にあり, その精神的健康は高い活動娯楽志向性により保たれているが, 大検生の家族には表出性, 組織性の低さからくる家族環境の脆弱性があり, その精神的な健康は不安定な要素をはらんでいることが示唆された。中退に先行する因子では父親が別居していること, 幼い頃に殴られて納得していないこと, 幼い頃に話を聞いてくれなかったことおよび中学あるいは高校時代に不登校の経験があることが中退することに対し関連を持っていた。これらの結果は大検生の精神保健対策上, 重要であると思われる。

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