慢性関節リウマチに合併した皮膚クリプトコックス症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Cutaneous Cryptococcosis Associated with Rheumatoid Arthritis

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抄録

67歳女性。約20年前より慢性関節リウマチでプレドニソロンを内服。糖尿病と腎不全を合併していた。初診の10日前, 誘因なく左前腕に腫脹が出現し, 抗生剤を投与されたが徐々に手背にまで拡大した。当科入院時, 左肘から手背にかけ発赤, 腫脹, 硬結があり, 前腕伸側には瘻孔があった。左手背に皮膚の剥離による潰瘍が認められた。左肘から上腕屈側には圧痛を伴うそら豆大の皮下結節が数珠状につらなっていた。左前腕瘻孔からの膿の墨汁標本で莢膜を持つ胞子状菌要素を認め, Cryptococcus neoformans serotype Aが培養された。フルコナゾール 200 mg/日の内服を開始し, 血中濃度を測定しつつ50 mg/日まで減量。瘻孔, 腫脹は約4カ月で略治した。その2カ月後にも血中クリプトコックス抗原 (定性) が陽性であったため, フルコナゾールの内服を継続した。患者は治療開始約10カ月後に細菌性肺炎により死亡したが, 皮膚症状の再燃はみられなかった。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 66 (1), 29-33, 2004

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (24)*注記

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