口蓋形成術後に生じた閉塞型睡眠時無呼吸症候群の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Obstructive Sleep Apnea Syndrome Case Report Occurring after Primary Palatal Closure Operation

この論文をさがす

抄録

口蓋形成術は口蓋帆挙筋のmuscle slingの形成と鼻咽腔形態の形成,push back法による鼻咽膣の狭小化を目的としているため同手術施行直後は気道抵抗が大きくなり,経鼻呼吸が困難になる症例は多々存在する.しかし腫脹消退後も継続して気道閉塞を起こす症例はほとんどないと考えられている.<BR>今回,われわれは口蓋形成術後に閉塞型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome:OSAS)を認めた症例を経験した.患児は生下時より口蓋裂を認めたため1歳2か月時に本院にて口蓋形成術を施行した.3歳3か月時に下気道炎から気道閉塞をきたし,6日間の挿管による人工換気が必要となった.ポリソムノグラフィー所見より患児の睡眠動態を観察したところ,閉鎖型の無呼吸発作が認められた.apnea indexはユ5.5だった.<BR>OSASの診断の下に,持続的陽圧呼吸装置(nasal CPAP system)を装着させて睡眠させたところ,いびきは消失し,呼吸流量の停止も認めなくなった.apnea indexが15.5から3.1と改善した.<BR>現在,患児は本装置を装着して良眠を得ている.今後,成長発育を待って治療を行うまでの補助的手段としては本装置は有用であると考えられた.

収録刊行物

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ