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- タイトル別名
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- Surgical repositioning of the displaced premaxilla in bilateral cleft lip and palate patients
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抄録
両側口唇顎口蓋裂術後患者では顎間骨の三次元的位置異常をきたしていることが少なくない.顎間骨がfloating Premaxillaの状態で可動性を示し,前歯部が重度の過蓋咬合あるいは反対咬合を呈する場合には単独の矯正治療では,その修正がかなり困難である.このような患者には顎間骨の骨切りがしばしば必要になる.<BR>著者らは顎間骨の位置異常をきたした両側口唇顎口蓋裂術後患者に対し,顎聞骨の骨切りと顎裂部の骨移植を同時に行う顎間骨整位術を1974年から1995年までの22年間で9例に施行し,以下のごとき結果を得た.1.顎間骨整位術を施行し,比較的良好な結果を得るとともに,以下のごとき本手術の有用性を確認した.<BR>1)本手術によって顎間骨の位置異常をほぼ術前に想定したごとく,三次元的に修正することができる.<BR>2)本術後には顎裂部における骨架橋が形成されるので,中切歯のみならず側方歯群における矯正治療が容易となり,その結果,良好な咬合を得ることができる.<BR>3)鼻口腔痩を同時に閉鎖することができる.<BR>4)術前における美的障害および口腔機能障害を改善できる.<BR>2.本手術による良好な結果を得るためには,外科医と矯正歯科医との長期にわたる密接な連携が必要である.<BR>3.矯正治療の進歩と普及がもたらされた現在,本手術の有用性から顎間骨整位術は積極的に行われるべきである.
収録刊行物
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- Journal of Japanese Cleft Palate Association
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Journal of Japanese Cleft Palate Association 21 (2), 95-106, 1996
Japanese Cleft Palate Association
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205453123968
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- NII論文ID
- 130004586390
- 10019007047
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- NII書誌ID
- AN00188874
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- ISSN
- 03865185
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可