器械吻合をループ式回腸ストーマ閉鎖術の標準術式としてよいか

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  • Is Functional End-to-end Anastomosis a Standard Procedure for the Closure of Loop Ileostomy?

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抄録

目的 : 回腸ストーマ閉鎖術における器械吻合と手縫い吻合の安全性と経済性についてprospective studyを施行した.<br>方法 : 器械吻合はfunctional end-to-end吻合, 手縫い吻合はlayer-to-layer吻合を行った. 器械吻合群は外科臨床経験2年以上の医師, 手縫い吻合群は4年以上で腸管の手縫い吻合の経験のある医師を術者とした.<br>結果 : 器械吻合群 (10例) と手縫い吻合群 (10例) の術者の平均臨床経験年数はそれぞれ3±1, 7±3年 (p<0.05) であった. 平均吻合時間は24±6, 58±16分 (p<0.05), 平均手術時間は96±21, 127±26分 (p<0.05) であった. 術後合併症は創感染が機械吻合群に1例, 手縫い吻合群に4例認められたのみで, 縫合不全やイレウスはなかった. 術後平均在院日数は10±3, 11±1日 (n.s.) であった. 手術材料費は器械吻合で32,000円, 手縫い吻合は24,827円であった.<br>結論 : 器械吻合は経験の少ない術者でも短時間で安全に施行可能で, コスト面でも手縫い吻合と大きな差は認められなかったため標準術式として妥当であると考えられた.

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