成人臍ヘルニア嵌頓術後に肺塞栓症を合併した高度肥満の1例

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  • A Case of Incarcerated Umbilical Hernia with Morbid Obesity Complicated by Postoperative Pulmonary Embolism

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抄録

症例は, 60歳の高度肥満女性 (身長134cm, 体重90kg, BMI 50.1kg/m2)。2004年9月某日, 腹痛が出現し近医を受診した。臍部に膨隆し, 増大傾向を示す腫瘤が認められたため, 当院に転送された。来院時, 臍部に一部皮膚壊死を伴う小児頭大の腫瘤を認めた。Computed tomographyにて腫瘤内部に腸管が確認されたため, 臍ヘルニア嵌頓による絞扼性イレウスと診断し, 緊急手術を施行した。ヘルニア内容は中部小腸約150cmで, 一部壊死穿孔していたため, 絞扼を解除後に小腸部分切除・腹腔洗浄ドレナージ術を施行した。術後は, 高度創感染を合併したため離床が遅延した。その後, 第18病日に肺塞栓症を発症したが保存的に改善し, 第138病日に退院した。成人臍ヘルニア嵌頓は, 高度肥満例に合併することが多く, そのような高度肥満例の術後には, 肺塞栓症に対する十分な注意が必要である。

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