肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法施行後に腫瘍崩壊症候群を発症した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Acute tumor lysis syndrome associated with transcatheter hepatic arterial chemoembolization therapy of hepatocellular carcinoma: a case report
  • 症例報告 肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法施行後に腫瘍崩壊症候群を発症した1例
  • ショウレイ ホウコク カンサイボウガン ニ タイスル カンドウミャク カガク ソクセン リョウホウ シコウゴ ニ シュヨウ ホウカイ ショウコウグン オ ハッショウシタ 1レイ

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抄録

肝細胞癌(HCC)に対する各種治療後にまれに生じるとされる腫瘍崩壊症候群の1例を経験した.症例は,HCV抗体陽性,AFP値5,688ng/mLの71歳女性である.HCC局所再発に対する加療目的で再入院となった.HCC再発に対し,肝動脈化学塞栓術(TACE)を固有肝動脈からファルモルビシン,マイトマイシンC,そしてリピオドールの混合液,およびゼラチンスポンジ細片を用いて施行した.TACE施行後より経時的に尿量は減少,採血データーでは高尿酸血症,高カリウム血症やクレアチニン値の上昇,そして動脈血ガス分析では代謝性アシドーシスの所見を認めた.所見よりTACE施行後2日目,HCC治療後に発生した腫瘍崩壊症候群と診断し,持続的血液濾過透析(CVVHDF)療法を導入した.CVVHDF療法導入直後から尿量は増加し,異常検査値もほぼ正常化した.TACE施行後約1カ月目に,患者は退院できた. <br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 48 (7), 331-337, 2007

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (19)*注記

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