下咽頭癌における頸神経を温存した頸部郭清術の治療成績

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タイトル別名
  • Treatment results of neck dissection with the preservation of cervical nerves for hypopharyngeal cancer

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抄録

頸神経を温存する頸部郭清の治療成績を,頸神経を切除する頸部郭清と比較検討した。対象は1992年1月から2001年11月に両側頸部郭清と咽喉摘または咽喉食摘を行った下咽頭癌76例。21例42側では頸神経を切除する頸部郭清を行った(頸神経切除群)。55例では頸神経を温存する方針で頸部郭清を行ったが,9例では転移リンパ節が頸神経に癒着または浸潤しており頸神経を切除した。46例92側で頸神経を温存する両側頸部郭清を行った(頸神経温存群)。両群の背景因子のうち,年齢,性差,導入化学療法の有無,副神経の温存,pN分類に有意差を認めた。5年累積頸部制御率は,頸神経切除群81.3%,頸神経温存群79.7%で,両群間に有意差はなかった。頸神経と転移リンパ節が剥離できれば,導入化学療法や術後照射のもとでの頸神経を温存した頸部郭清は,頸神経を切除する頸部郭清と同等の頸部制御率が得られる可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 33 (3), 371-374, 2007

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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