植物種子の嵌頓によりイレウスをきたした下行結腸吻合部狭窄の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF ILEUS DUE TO INTRUSION OF A SEED IN ANASTOMOTIC STRICTURE OF THE DESCENDING COLON

この論文をさがす

抄録

今回われわれは, 手術後約20年経過した下行結腸吻合部に, 植物種子が嵌頓しイレウスをきたした1例を経験したので報告する. 症例は57歳の女性で, 主訴は左側腹部痛. 造影CTにて下行結腸内にリング状に石灰化を伴う, 異物を認めた. 下部消化管内視鏡を行ったが, 下行結腸に全周性の狭窄を認め摘出不可能であった. 異物を含めて下行結腸切除を行った. 病理組織検査にて狭窄部分に粘膜下層以下の線維性の肥厚および固有筋層の断裂を認め, わずかに縫合糸と推察される物質に対する異物反応を認めた. 前回手術時に腸管の縫合がなされ, 同部位が狭窄をきたしていると診断した. 過去の報告例のうち多くは閉塞の原因となった部位の腸管に何らかの狭窄を伴う疾患を伴っており, 植物種子によるイレウスの症例では器質的疾患が合併する可能性も十分考慮する必要がある. また, 診断には異物誤飲や手術歴などの問診が重要であると考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ