急性虫垂炎に続発した大網捻転症の1例

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  • A CASE OF SECONDARY OMENTAL TORSION WITH ACUTE APPENDICITIS

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抄録

症例は28歳, 男性. 右下腹部痛を主訴に来院. 右下腹部に著明な圧痛と反跳痛を認めた. 血液検査にてWBC14,500/μl, CRP1.32mg/dlと炎症所見を認めた. 腹部computed tomography (以下, CT) にて腫大した虫垂とその頭側にやや高吸収域の渦巻状構造を認めた. 急性虫垂炎の診断で同日緊急手術施行した. 開腹すると捻転し暗赤色調を呈した大網が虫垂を覆うように存在していた. 虫垂は腫大しており, 腹腔内には少量の淡血性の腹水を認めた. 虫垂切除術と大網部分切除術を行った. 術後経過は良好で, 第10病日に退院した.<br>大網捻転症は比較的稀な疾患で, 器質的疾患の有無により特発性と続発性に分類される. 本症例は急性虫垂炎に続発した大網捻転症と診断した. 急性虫垂炎に続発した大網捻転症は本邦でこれまで1例しか報告されておらず, 稀な病態であると思われ, ここに報告する.

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参考文献 (23)*注記

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