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- 丹 佳子
- 山口県立大学看護栄養学部看護学科
書誌事項
- タイトル別名
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- Analysis of parents' thoughts regarding their judgments and responses when their children were suddenly taken ill: parents' fear, peace of mind, coping behavior and demands of government in the free-answer question
- コドモ ノ キュウビョウジ ノ タイオウ ヤ ハンダン ニ ツイテ ノ ホゴシャ ノ カンガエ ジユウ キジュツ カラ ミタ フアン アンシン タイショ コウドウ シャカイ エノ ヨウボウ
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抄録
目的 子どもの急病時の保護者の不安軽減のための支援内容を検討することを目的に「子どもの急病時の対応や判断に関して思うこと・感じること」という質問の自由記述から,不安の内容を明らかにするとともに,安心や対処行動,社会への要望についても明らかにした。<br/>方法 保育園児の保護者1,373人に,子どもの病気の緊急性や受診の判断について無記名自記式質問紙調査を行った。その中で全回答者対象に質問した「子どもの急病時の対応や判断について,日頃感じていること」の自由記述について,Berelson, B. の内容分析を用いて分析を行った。<br/>結果 1,373件配布し666件の有効回答を得,このうち自由記述への回答431件を対象とした。これらの回答は724記録単位,431文脈単位に分割できた。724記録単位を分類した結果,15サブカテゴリ「病院職員/診療内容」,「診療時間」,「病院種類」,「小児科医」,「かかりつけ医」,「受診基準・判断」,「とにかく受診」,「冷静」,「漠然とした不安・心配」,「薬・ケア」,「家族」,「相談」,「情報」,「社会・制度」,「病児保育・保育園」が形成され,さらに 3 カテゴリ〔医療機関〕,〔保護者〕,〔社会的資源〕が形成された。また,15サブカテゴリの記述は 6 種類の表現‘安心’,‘不安’,‘対処行動’,‘今後の行動’,‘社会への要望’,‘意見・考え’に分類された。<br/> サブカテゴリごとに表現分類の記録単位数をみると,‘不安’表現が多かったのは「病院職員/診療内容」の『病院職員(医師も含む)の対応・判断が悪い』,「受診基準・判断」の『受診のタイミング・要否がわからない』であった。‘安心’表現としては「診療時間」の『時間外にも診療・対応してもらえる』が多かった。‘対処行動’表現としては,「受診基準・判断」の『子どもを観察する』,「とにかく受診」の『早めに受診する』,「病院種類」の『状況に応じて受診病院を選択している』などが多く記述されていた。また,‘社会への要望’表現としては,「診療時間」の『診療時間延長に関すること』,「相談」の『相談機関の充実』などが多かった。<br/>結論 これらの結果から,保護者への不安軽減のための支援として,保護者自身が判断できるようになるための支援,電話相談利用の推進,効果的な広報,が必要であることが明らかになった。また,医療関係者の保護者への対応の改善も,不安軽減のためには重要であることが明らかになった。
収録刊行物
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- 日本公衆衛生雑誌
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日本公衆衛生雑誌 54 (10), 711-722, 2007
日本公衆衛生学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205506136832
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- NII論文ID
- 130004626144
- 10019782524
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- NII書誌ID
- AN00189323
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BD2sjgsVymsg%3D%3D
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- ISSN
- 21878986
- 05461766
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- NDL書誌ID
- 8984250
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- PubMed
- 18041229
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可