器質的狭窄を伴わず腸閉塞を繰り返した多発小腸憩室症の1手術例

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  • A CASE OF RECURRENT BOWEL OBSTRUCTION DUE TO MULTIPLE DIVERTICULOSIS OF JEJUNUM WITHOUT PRESENCE OF MECHANICAL OBSTRUCTION

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抄録

症例は49歳, 男性. 過去1年間に腸閉塞の診断で計6回の入退院を繰り返していた. いずれも保存的療法で軽快したため経過観察とされていたが, 再び嘔吐, 腹痛が出現し当院へ搬送された. 開腹手術歴はなかった. 腹部単純X線写真, 腹部CT検査で腸閉塞と診断し, イレウス管を挿入したが近位空腸より先に進まなかった. 造影すると, 近位空腸には嚢状に拡張した部位が2か所認められ, そこから肛門側への造影剤の流出が不良であった. 以上より多発小腸憩室症を疑い手術を施行した. Treitz靱帯より50~105cmの空腸の腸間膜対側に多発する憩室を認め, 同部の空腸を切除した. 器質的な狭窄はなく, それより肛門側にも明らかな病変は認めなかった. 切除した空腸には計6個の憩室を認め, いずれも病理学的に仮性憩室であった. 腸閉塞を繰り返した原因として, 拡張した憩室を起点とした小腸捻転および解除を繰り返していたことが考えられた.

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