粘液産生胆管腫瘍像を呈した大腸癌肝転移の1治験例

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  • A CASE OF LIVER METASTASIS FROM COLON CANCER MIMICKING MUCIN-PRODUCING INTRADUCTAL CHOLANGIOCARCINOMA

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抄録

症例は73歳の女性で, 1998年10月S状結腸癌, 2000年2月および2001年2月に肺転移に対して切除術を受けた. 同年12月にはALP上昇, CA19-9高値と胆管拡張像を認め, 精査目的にて紹介となった. エコーおよびCTでは肝内に腫瘤陰影は認めなかったが, DIC-CTおよびERCPにて総胆管内に円柱状の陰影欠損を認め, 2002年2月手術を施行した. 総胆管には粘液を認め, 術中胆道ファイバーにて右肝内胆管に胆管内発育型腫瘍を認めた. 生検を施行後, Tチューブを留置して手術を終了した. 生検標本の病理検査にて腺癌と診断され, 同年3月肝右葉切除術を施行した. 切除標本の病理検査では, 大腸原発巣および肺転移巣と同様に高円柱状の癌細胞が乳頭状増殖を呈し, サイトケラチンなどの免疫染色所見から大腸癌の肝転移と診断した. 大腸癌の肝転移巣がいわゆる粘液産生胆管腫瘍像を呈した極めて稀な症例を経験したので報告する.

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