膵管との交通を認め,著明な卵巣様間質の増生を伴った膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)の1例

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  • A CASE OF MUCINOUS CYSTIC NEOPLASM (MCN) WITH PROMINENT PROLIFERATION OF OVARIAN-TYPE STROMA WHICH HAD COMMUNICATION WITH THE PANCREATIC DUCT

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抄録

症例は72歳の女性. 急性膵炎の精査治療目的で前医より当科に紹介された. 腹部CT, MRIで膵体尾部に嚢胞性病変を認め, さらにERPにおいて病変部と分枝膵管を介して主膵管との交通を認めた. MCNもしくは分枝型IPMNの疑いで膵体尾部切除術を施行した. 標本造影において分枝膵管を介して主膵管との交通を認めた. 病理所見では1~2層の円柱上皮からなる嚢胞と, 間質に著明に増生した卵巣様間質を伴うことからMCNと診断した. MCNは比較的稀な疾患であり中年以降の女性の膵体尾部に好発する. 以前は膵管との交通のない被膜を有する単房性もしくは多房構造を示すとされてきたが最近, 一部の症例では膵管との交通があることも知られている. 今回, われわれは分枝膵管を介し主膵管と交通を認め, 著明な卵巣様間質の増生を認めた1例を経験したので報告する.

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