両側性副腎原発悪性リンパ腫による副腎不全を呈した血液透析患者の１例

• 大城 望史

  府中市立府中北市民病院外科

• 石川 哲大

  県立広島病院透析腎臓外科

• 山下 正博

  県立広島病院一般外科

• 水沼 和之

  県立広島病院透析腎臓外科

• 福田 康彦

  県立広島病院一般外科

• 田中 一誠

  県立広島病院透析腎臓外科

書誌事項

タイトル別名

• A case of adrenal insufficiency caused by bilateral adrenal malignant lymphoma in a hemodialysis patient
• 症例報告 両側性副腎原発悪性リンパ腫による副腎不全を呈した血液透析患者の1例
• ショウレイ ホウコク リョウガワセイ フクジン ゲンパツ アクセイ リンパシュ ニ ヨル フクジン フゼン オ テイシタ ケツエキ トウセキ カンジャ ノ 1レイ

抄録

症例は74歳, 男性, 透析歴は11年. 食欲不振, 低血糖のため近医より当院に紹介入院となった. 腹部CT検査にて, 両側副腎の腫大を認め, コルチゾールは8.6μg/dLと正常値であったが, ACTHは328pg/mLと著明な上昇を認めたことから, 原発性副腎不全と診断した. Hydrocortisone 20mg/日の投与を開始したところ, 低血糖は是正され, 劇的な食欲の改善が得られた. それに伴い, ドーパミンは96pg/mLから16pg/mLに, ノルアドレナリンは1,117pg/mLから216pg/mLにいずれも改善した. 右上顎腫瘍の生検にてdiffuse large B-cell lymphomaと診断され, またGaシンチグラフィーにて右上顎のほか, 特に縦隔や両側副腎に高集積を認め, 副腎原発悪性リンパ腫による副腎不全であったと考えられた. 副腎原発悪性リンパ腫はまれな疾患ではあるが, 両側性のことが多く, 副腎不全をきたすことが多い. 維持血液透析患者に副腎原発悪性リンパ腫あるいは副腎不全をきたした症例は, 検索した限りでは報告がない. 副腎不全時のカテコールアミン代謝に対しても考察を加えて報告する.

収録刊行物

• 日本透析医学会雑誌

  日本透析医学会雑誌 40 (11), 931-936, 2007

  一般社団法人 日本透析医学会

キーワード

• 副腎不全
• 維持透析
• 悪性リンパ腫
• カテコールアミン

詳細情報

• CRID: 1390282679655696640
• NII論文ID: 10020000277
• NII書誌ID: AN10432053
• DOI: 10.4009/jsdt.40.931
• ISSN: 1883082X
• ISSN: 13403451
• NDL書誌ID: 9288908
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I9288908
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2008061600
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可