Evaluation of latent learning in a water-finding test by using model animals

  • Mouri Akihiro
    名古屋大学 大学院医学系研究科 医療薬学・附属病院薬剤部 名城大学 大学院薬学研究科 薬品作用学研究室
  • Noda Yukihiro
    名城大学 大学院薬学研究科 病態解析学I 名古屋大学 大学院医学系研究科 医療薬学・附属病院薬剤部
  • Nabeshima Toshitaka
    名古屋大学 大学院医学系研究科 医療薬学・附属病院薬剤部 名城大学 大学院薬学研究科 薬品作用学研究室

Bibliographic Information

Other Title
  • モデル動物を用いた水探索試験における潜在学習能の評価方法
  • 実験技術 モデル動物を用いた水探索試験における潜在学習能の評価方法
  • ジッケン ギジュツ モデル ドウブツ オ モチイタ ミズ タンサク シケン ニ オケル センザイ ガクシュウノウ ノ ヒョウカ ホウホウ

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Abstract

水探索試験は,絶水していないマウスを一度だけ給水ビンのある環境に暴露した時,その中にある給水ビンのノズルの位置について覚えているかどうかを指標にする学習・記憶試験である.ノズルの位置に対する記憶は自由な探索行動の中で水に対する強化効果なしに獲得されるため,動物の潜在的な学習能力(潜在学習)を反映すると考えられている.グルタミン酸機能低下仮説に基づいた統合失調症様モデル動物[N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体拮抗薬のフェンシクリジン(PCP)を急性あるいは連続投与した動物およびNMDA受容体サブユニット遺伝子欠損マウス]は潜在学習障害を示すため,潜在学習にはNMDA受容体が関与していると考えられる.特にPCP連続投与マウスでは前頭皮質ドパミン作動性神経系の機能低下が認められ,ドパミンD1受容体を介するNMDA受容体機能の低下が潜在学習障害の発現に関与していることが示唆されている.ノルアドレナリン作動性神経機能を低下させたマウスやドパミンおよびノルアドレナリンの合成能が低下しているチロシン水酸化酵素(TH)遺伝子変異マウスにおいても潜在学習障害は認められる.一方,ドパミン作動薬によっても潜在学習は障害される.この障害はドパミン作動性神経機能の亢進によっておりドパミンD2受容体を介したものであると示唆されている.このような潜在学習障害は頭部外傷モデル動物において認められる.受容体以降の細胞内情報伝達系の潜在学習における役割についてはカルシウムシグナルのセカンドメッセンジャーであるCa2+/calmodulin kinaseII(CaMKII),その下流のcyclic AMP response element binding protein(CREB)が関与していることが,特異的阻害薬や遺伝子変異マウスを用いた研究において報告されている.これらシグナル伝達に対して抑制作用をもつノシセプチンは潜在学習を障害する.このように潜在学習は多くの神経系の相互作用により細胞内情報伝達が変化し,形成されるものと考えられている.<br>

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