臨床応用が迫る遺伝子治療の動向と国産技術の開発  持続発現型RNAウイルスベクターの開発

  • 中西 真人
    独立行政法人産業技術総合研究所バイオセラピューティック研究ラボ

書誌事項

タイトル別名
  • Development of novel RNA vectors capable of stable and persistent gene expression
  • 持続発現型RNAウイルスベクターの開発
  • ジゾク ハツゲンガタ RNA ウイルス ベクター ノ カイハツ

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抄録

遺伝性代謝疾患の遺伝子治療にとって,治療用遺伝子を生体組織で長期間持続的に発現させる技術は必要不可欠である.レトロウイルスベクターを使って骨髄幹細胞の染色体に治療用遺伝子を挿入する重症複合免疫不全症の臨床試験では確かに有効性が確認されたが,一方で被験者が高頻度で白血病を発症する副作用も報告されたことから,染色体とは独立して遺伝情報を安定化する技術の開発が求められている.本稿では,細胞質で安定に維持される特殊なRNAウイルスについてその性質を解説し,遺伝子発現系への応用と実用化への展望を紹介する.

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参考文献 (15)*注記

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