膵外性に発育した非機能性膵内分泌癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Extrapancreatically Grown Nonfunctional Pancreatic Endocrine Cancer

この論文をさがす

抄録

非機能性膵内分泌腫瘍は比較的稀な疾患である。今回われわれは, 膵外性に発育した非機能性膵内分泌癌の1切除例を経験したので報告する。症例は61歳, 女性。平成18年3月近医にて, 脂肪肝の経過観察のため腹部超音波検査を施行され, 膵体部に5cm大の腫瘤を指摘された。腹部造影CTでは, early phaseおよびlate phaseいずれでも造影される腫瘤を認めた。FDG-PETでは, 同部位に淡い集積を認めた。血液検査上, 膵ホルモンに異常値を認めなかった。悪性の可能性を否定できず手術を施行した。術中迅速診断にて膵内分泌癌と診断され, 膵頭十二指腸切除術 (D2) を施行した。病理組織診断は膵内分泌癌であり, 核分裂像を10視野 (×400倍) にて15個以上認められ, 悪性と考えられた。免疫組織学的検索ではホルモン産生を示す所見を認めず, 非機能性膵内分泌癌と診断した。術後8カ月の現在, 無再発生存中である。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (25)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ