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- 奥 祥子
- 宮崎大学医学部·看護学科
書誌事項
- タイトル別名
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- The effect of care of terminally ill patients' families on care of families attending patients' deathbeds in a general ward
- イッパン ビョウトウ デノ シュウマツキ ケア ガ リンジュウ ニ カカワル カゾク エノ ケア ニ オヨボス エイキョウ
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抄録
目的 臨終に関わる家族ケアは,遺族ケアに繋がる重要なケアである.しかし,終末期の家族ケアの構成要素と臨終に関わる家族ケアとの因果関係に関する知見は得られていない.そこで,多くの高齢者が終末期を過ごす一般病棟において,看護師が行う終末期の家族ケアの中で,どの要因が患者の臨終に関わる家族ケアに影響するのかを明らかにする.方法 九州地区で100床以上の病床数をもつ病院の一般病棟の看護師長978名を対象として,終末期の患者の家族ケアについて郵送による質問紙調査を行った.データは因子分析,共分散構造分析を用いて分析した.結果 対象978名のうち293名(30.0%)の回答を得た.そのうちケア項目の回答に欠損のない236名(24.1%)を分析の対象とした.終末期の患者の家族に実施しているケアの構成要素は4因子が採択された.ケアの第1因子は【患者と家族のコミュニケーションの仲介】, 第2因子【情報提供】, 第3因子【家族間の協力促進と理解】, 第4因子【制約の緩和】と解釈した.4因子および潜在変数である「臨終に関わる家族ケア」を用いて,共分散構造分析を実施した結果,第1因子,第3因子は共変関係にあり,特に第1因子が「臨終に関わる家族ケア」の実施に強く影響していた.第2因子,第4因子と「臨終に関わる家族ケア」との関係は明らかにならなかった.結論 一般病棟の終末期における家族ケアは,【患者と家族のコミュニケーションの仲介】【情報提供】【家族間の協力促進と理解】【制約の緩和】の4因子で構成されていた.看護師は,家族間の協力促進と家族の理解を深めるほど,患者と家族のコミュニケーションの仲介を行い,それが臨終に関わる家族ケアを促進する原因になっていることが明らかになった.これは,看護師が患者·家族間への介入をすることによって,死別後の遺族の悲嘆過程に正の影響を与える可能性があることを示唆している.<br>
収録刊行物
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- 日本老年医学会雑誌
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日本老年医学会雑誌 44 (3), 351-358, 2007
一般社団法人 日本老年医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205024514688
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- NII論文ID
- 10020159927
- 130004485470
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- NII書誌ID
- AN00199010
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BD2szmtVehug%3D%3D
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- NDL書誌ID
- 8860445
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- ISSN
- 03009173
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可