ヘリコバクター ・ ピロリのVacA毒素受容体と毒性発現に関する研究

  • 平山 壽哉
    長崎大学熱帯医学研究所病原因子機能解析分野

書誌事項

タイトル別名
  • Virulence mechanism of <i>Helicobacter pylori</i> VacA
  • 平成19年浅川賞受賞論文 ヘリコバクター・ピロリのVacA毒素受容体と毒性発現に関する研究
  • ヘイセイ 19ネン アサカワショウ ジュショウ ロンブン ヘリコバクター ピロリ ノ VacA ドクソ ジュヨウタイ ト ドクセイ ハツゲン ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

細菌毒素は宿主の代謝異常を引き起こし細菌感染成立と病態形成に寄与する。ヘリコバクター ・ ピロリには, 細胞を空胞変性させて死に至らしめる蛋白毒素, 空胞化毒素 (vacuolating cytotoxin A, VacA) が知られている。この毒素の発見当初, 本毒素の著明な生物活性である空胞形成能に基づき上記のように空胞化毒素VacAと命名された。しかし, 最近の研究成果からVacAは空胞形成とは独立した宿主転写機能の撹乱を介した広範多岐な生物活性を示すことが明らかになってきた。VacAが胃粘膜上皮の受容体と特異的に結合することによって引き起こされる胃粘膜障害の詳細な機序の解明が進むとともに, 除菌によって改善される疾患とVacAとの関係が指摘されるなど, 今後明らかにしなくてはならない新たな課題も生じている。

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