Meteorological observations on mitigation of the summer thermal stress: A case study of Cheonggye Stream Restoration Project in Seoul city (Second Report)

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  • ソウル・清渓川復元事業による都市の暑熱緩和の観測(第2報)

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1.はじめに<BR> 近年、都市ヒートアイランドによる都市熱環境問題が顕在化しているために、欧米、日本をはじめ世界の様々な都市で、自然共生による都市再生・環境配慮型の都市づくりが盛んに提唱されている。<BR> 最近日本では、夏季の暑熱緩和策として、緑地や親水空間の配置、通風の確保等の環境調整手法を実施した効果に対して、実測による検証を試みつつある。しかし、都市温暖化抑制のために提案される諸緩和策は、その効果を示す大規模な実証研究が乏しいのも現実である。また、代表的な都市の暑熱緩和方策の効果を試算するためには、都市規模の検証事例による信頼性の高い測定データの蓄積が必要である。<BR> 本研究は、これまで韓国ソウル市高架道路であった清渓川(チョンゲチョンCheonggyecheon)を復元して水と緑の親水空間を創出するという、世界に例を見ない大規模な都市環境改善事業の実施過程で、対象地域におけるモニタリングを行うことにより、夏季の暑熱の緩和効果を定量的に実証することを目的としている。これはその第2報である。<BR><BR>2.観測概要<BR> 本研究では、2003年7月1日の清渓川高架道路撤去工事開始に先んじて、6月中旬に、百葉箱内に小型温湿度計(HIOKI3641温湿度ロガー使用)を置いた簡易自動観測ステーションを、清渓川南北500m以内に立地する小中高等学校11箇所ならびに公共機関3箇所に設置し、10分間隔のモニタリングを開始した。また、サーモグラフィー(熱赤外画像撮影装置)を用いて、当該事業の前(2003年夏)後(2006年夏)にわたる熱画像を得る。<BR> さらに、2004年8月9-15日に、高架路を南北に貫く計13箇所に、日射遮蔽シェルタ(塩ビ製二重円筒、外筒アルミ被覆)に装着した同様の小型温湿度計を設置し、2分間隔で連続測定を行った(図1)。シェルタは自然通風で、すべて街路樹の樹冠下に設置しており、設置高さは地上約2mとした。地点の選定にあたっては、できるだけ街路樹を利用し、条件が等しくなるように配慮した。それゆえ、各日射遮蔽シェルタの間の距離は15-20mとした。<BR><BR>3.観測結果<BR>観測結果を要約すると次の通りである。<BR> (1)夜19:30以後、復元工事中の清渓川と周辺の市街地の気温差であるクールアイランド強度は0.5-2.0℃で、気温差によって周囲に与える低温効果が日の出まで現れた。<BR> (2)復元工事中の清渓川の低温影響範囲は20-30mであった。また、川の南側より北側の方が影響範囲が大きかった。<BR> また図2には、赤外線カメラによる昼12:00の熱画像の例を示した。表面温度で比較しても、復元工事中の清渓川の表面は周囲に比べて低温となっていることが明らかである。<BR>

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